セミナーレポート|多国籍企業が押さえるべきグローバルミニマム課税とUAE DMTT
2026年7月28日、UAEで事業を展開する多国籍企業グループを対象にオンラインセミナーを開催しました。日系企業を中心に多くのお申込みをいただき、活発な質疑応答が行われました。
開催概要
| テーマ | Global Minimum Tax and UAE DMTT: What Multinational Enterprises Need to Know |
| 日時 | 2026年7月28日(火)UAE時間 10:00~11:00 |
| 形式 | オンライン開催(Zoho Webinar) |
| 登壇者 | Cris Casiple(Biz Easy FZCO Accounting & Tax Consultant / CPA) |
| 使用言語 | 英語 |
| お申込み状況 | 日系企業を中心に、多くのお申込みをいただきました |
| 当日の参加状況 | 活発な質疑応答が行われ、高い関心をお寄せいただきました |
セミナーの狙い
2026年6月、UAE財務省はMinisterial Decision No. 96 of 2026を公布し、OECDの最新コメンタリー・実務ガイダンスをUAEのDMTT(国内ミニマム課税)規則に取り込みました。あわせてFTAはEmaraTaxポータル上でPillar Two Top-up Taxの登録受付を開始しています。本セミナーでは、こうした最新動向を踏まえ、対象企業が今取るべき実務対応を整理しました。
特に、UAE法人税(0%/9%)とDMTTは別建ての制度であり、フリーゾーンの優遇措置(QFZP)を満たしていてもDMTTの対象から自動的に除外されるわけではない点を、具体的な計算例とともに解説しました。
当日の主な内容
Pillar 2とUAE DMTTの背景・基本的な仕組み
OECD/Inclusive Frameworkが140カ国以上の合意により導入したグローバルミニマム課税(Pillar 2)の全体像と、連結売上高7.5億ユーロ以上の大手多国籍企業グループを対象とする点を解説。UAEはIIR・UTPRは採用せず、自国の低税率所得に課税するQDMTT(適格国内ミニマム課税)のみを2025年1月以降開始事業年度から導入している点を紹介しました。
セーフハーバーと移行期救済措置
2027年1月前に開始する事業年度を対象に、一定の要件(デミニミス、簡易実効税率、通常利益)のいずれかを満たせば国別報告書(CbCR)ベースでUAEの上乗せ税をゼロとみなす「Transitional CbCR Safe Harbour」など、複数の移行期措置を紹介しました。
コンプライアンスと申告義務
Top-Up Tax ReturnとPillar Two Information Returnの2種類の申告が必要であること、グループの代表申告事業体(Domestic Designated Filing Entity)が一括して申告すること、初年度(2025年度)の申告期限が事業年度終了から18ヶ月後となることを解説しました。
UAE法人税・フリーゾーン制度(QFZP)との関係
QFZPの5つの要件を満たしていても、Pillar 2の実効税率(ETR)計算ではフリーゾーンの優遇税制自体が考慮されないため、0%課税がそのまま0%のETRとして扱われ、DMTTの対象になり得る点を、具体的な試算例とともに解説。QFZP要件とDMTTの該当性判定は別建てのテストであることを強調しました。
参加者データ
お申込みいただいた方の中で最も関心が高かったテーマは、「Pillar 2とUAE DMTTの背景・基本的な仕組み」が過半数を占め、次いで「法人税・フリーゾーン制度との関係」が約3分の1となりました。「セーフハーバー」「コンプライアンス・申告義務」への関心は、それぞれ少数にとどまりました。
グループ連結売上高については、DMTTの対象基準となる7.5億ユーロ以上と回答した方が約6割を占め、実際に制度の対象となり得る層からの参加が中心であったことがうかがえます。一方で、自社のDMTT対応状況については「検討中」「対象か不明」との回答が合わせて約7割に達しており、制度の存在は認識しつつも、自社への当てはめや対応方針の判断に至っていない企業が多い実態が明らかになりました。QFZP(適格フリーゾーン事業者)に該当するかどうかについても、「不明」との回答が「該当する」を上回りました。
参加者の声・質問(抜粋)
当日はQ&Aセッションにも質問が寄せられました。一部を抜粋してご紹介します(内容の趣旨を損なわない範囲で編集しています)。
- 「UAEのグローバルミニマム課税は、具体的にどのような仕組みで機能するのか」
- 「Pillar Two Top-up Taxの登録手続きと期限はどのようになっているか」
- 「現時点で具体的な懸念事項は特にない」
受講者からは、法人税とDMTTが別建ての制度であることや、QFZP要件を満たしていてもDMTTの対象になり得る点について、「自社の理解が整理できた」との好意的な反応をいただきました。
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本セミナーの内容を踏まえ、DMTTに関する解説記事・ホワイトペーパーも順次公開予定です。あわせてご活用ください。
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