セミナーレポート|事業地理を問い直す ― ドバイを軸に描く、中東・アフリカ・中央アジアの広域成長戦略
2026年6月25日、中東・アフリカ・中央アジアへの広域展開を検討・運営される方を対象にオンラインセミナーを開催しました。日系企業を中心に多くのお申込みをいただき、活発な質疑応答が行われました。
開催概要
| テーマ | 事業地理を問い直す ― ドバイを軸に描く、中東・アフリカ・中央アジアの広域成長戦略 |
| 日時 | 2026年6月25日(木)UAE時間 10:00~11:00 |
| 形式 | オンライン開催 |
| 登壇者 | Yasuaki Okada(Biz Easy FZCO Strategy Div. Director) |
| 使用言語 | 日本語 |
| お申込み状況 | 日系企業を中心に、多くのお申込みをいただきました |
| 当日の参加状況 | 活発な質疑応答が行われ、高い関心をお寄せいただきました |
セミナーの狙い
2026年上期の中東情勢は、平時には立て直す機会の少ない「地域統括・広域展開体制の設計」や「成長の優先地域」といった問いを、あらためて立てる契機となりました。本セミナーは、「UAEから移すべきか」という守りの二者択一ではなく、「ドバイを軸に、どの成長市場を、どう攻めるか」という攻めの問いへと論点を立て直すことを目的に開催しました。
特定の国・都市への進出や移転を推奨するものではなく、広域展開体制を構成する6つの機能(戦略統括・営業/事業開発・財務/資金管理・物流/サプライチェーン・人材・総務/BCP/リスク管理)とターゲットエリアを、公開情報をもとに体系的に整理する内容としました。
当日の主な内容
有事を起点とした論点整理
2026年上期に中東で発生した軍事衝突・ホルムズ海峡の事実上の封鎖・停戦とその再発など、報道ベースの事実関係を時系列で整理した上で、これはUAE離脱を意味するものではなく、一極集中リスクと代替手段の必要性を示すものであると位置づけました。ドバイのハブ機能は、日UAE CEPAの交渉妥結や非石油貿易の伸びを背景に、有事を経ても維持・強化される方向にあることを紹介しました。
ドバイを軸に捉える3つの成長フロンティア
GCC・アフリカ・中央アジアという3つの成長フロンティアについて、人口・実質GDP成長率・市場規模・成長の源泉を同じ物差しで比較。ドバイ(総合ハブ)、リヤド(KSA市場・政府案件)、ヨハネスブルグ(南部アフリカ営業拠点)、アルマティ/アスタナ(中央アジア・AIFC活用)、イスタンブール(欧州・CIS接続)、ムンバイ(人材・製造・SCM)という6つの候補拠点を、法人税・外資規制・金融制度・日系企業の集積・地政学リスクなどの観点から比較しました。
機能配置・展開パターン
広域展開体制の6機能それぞれについて、6つの候補拠点との適性を整理。ドバイを広域統括・財務・商流管理の主軸に置きながら、現地営業・サプライチェーン・人材・BCPなどの実行機能を目的別に補完する考え方を提示しました。あわせて、いきなり拠点設立から始めるのではなく、出張・代理店・外部委託といった負担の小さい形態から段階的に広げていくアプローチを紹介しました。
配置パターンと実行ステップ
総合商社・メガバンク・メーカーなど、公表情報から見える実在企業の広域展開の型(配置パターン)を紹介した上で、自社の現行機能の棚卸し、候補地の制度比較・実行可能性評価、事業計画・実行ロードマップ策定という3段階の支援領域を提示しました。
参加者データ
お申込みいただいた方の中で最も関心が高かったテーマは「ドバイを軸に捉える3つの成長フロンティア」で、全体の4割超を占めました。次いで「有事を起点とした広域展開体制の論点整理」への関心が高く、約4分の1となりました。
参加者が今後の展開・強化を視野に置く地域としては、アフリカが最も多く挙げられ、次いでサウジアラビアやGCC全体、中央アジアが続きました。すでに事業展開している地域としては、UAE・中東が中心である一方、GCC域内の他国やアフリカ、CIS諸国、中央アジアなど、すでに複数地域にまたがって事業を展開している参加者も一定数見られました。参加者の所属拠点はUAEが中心で、日本本社からの参加も一定数あり、本社側の経営企画・海外事業部門からの関心の高さがうかがえました。
参加者の声・質問(抜粋)
当日はQ&Aセッションにも質問が寄せられました。一部を抜粋してご紹介します(内容の趣旨を損なわない範囲で編集しています)。
- 「停戦後のイランビジネス環境の見通しはどうなるか」
- 「情勢にもよるが、ドバイは今後も中東・アフリカ・中央アジア他地域への再輸出拠点としての地位を保てるのか」
- 「再輸出拠点としてのフリーゾーン倉庫を、ドバイのJebel Ali Free Zone以外にどこに置くと効率的か。候補拠点を知りたい」
- 「ドバイや中東の人口流入政策の今後、および人口動態に伴う市場規模の見通しについて知りたい」
受講者からは、「移すか残すか」という二者択一ではなく機能単位で広域展開体制を設計するという視点や、実在企業の配置パターンが自社の検討に活用できる内容だったとの好意的な反応をいただきました。
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