【2026年最新版】UAE会社設立完全ガイド
手続き・費用・ビザを徹底解説
メインランド vs フリーゾーンの選び方から、設立コスト、ビザ取得、2026年の最新制度変更まで。200社超の支援実績を持つ Biz Easy が徹底解説します。
この記事でわかること
- メインランドとフリーゾーンの違い、自社に最適なエリアの選び方
- UAE会社設立に必要な7つの検討事項と判断基準
- 2026年版の設立手続きフローと所要期間(DETは最短24時間)
- メインランド・フリーゾーン別のリアルな設立コスト
- ゴールデンビザ要件緩和など、2026年の重要な制度変更7件
- 日系企業が中東進出で陥りやすい5つの落とし穴と回避策
UAE会社設立の全体像
UAE(アラブ首長国連邦)で会社を設立する際、最初に決めるべきは「メインランド」と「フリーゾーン」のどちらに設立するかです。この選択は、事業範囲、コスト、ビザ、税制に直結するため、自社の事業戦略にもとづいて慎重に判断する必要があります。
| 比較項目 | メインランド | フリーゾーン |
|---|---|---|
| 管轄当局 | DET(旧DED) | 各フリーゾーン当局 |
| UAE国内取引 | 制限なし(自由に取引可能) | 制限あり(エージェント経由が必要な場合あり) |
| 外国人所有 | 100%可能(2021年改正以降) | 100%可能 |
| オフィス要件 | 物理オフィス必須 | バーチャルオフィス可(ゾーンによる) |
| 設立コスト | AED 18,500〜40,000 | AED 5,750〜47,800 |
| 設立期間 | DET: 24-48時間 | 3〜10営業日 |
| 法人税 | 9%(課税所得AED 375,000超) | QFZP適格なら0%(適格所得のみ) |
| おすすめ用途 | UAE国内市場への販売、政府入札 | 国際貿易、持株会社、IT事業 |
2021年の商業会社法改正により、メインランドでも外国人による100%所有が大幅に拡大されました。「フリーゾーンなら100%所有」という従来の常識はすでに過去のものです。
会社設立で検討すべき7つのポイント
① 事業目的(アクティビティ)の定義
UAEではビジネスライセンス申請時に、具体的な事業活動(アクティビティ)を指定する必要があります。DETが承認する活動は3,000種類以上にのぼり、選択したアクティビティによってライセンスの種類や必要な許認可が決まります。
一つのライセンスで複数のアクティビティを登録できますが、追加ごとに費用が発生します。将来の事業展開も見据えて、初回設立時に適切なアクティビティを選定することが重要です。
金融サービス、医療、教育、メディアなど一部のアクティビティは、追加の規制当局からの承認が必要です。事前に必要な許認可を確認しましょう。
② 会社形態の選択
UAEで一般的に利用される会社形態は以下の3つです。日系企業のUAE進出では、LLCまたは支店が最も多く選択されています。
| 会社形態 | 特徴 | 適したケース |
|---|---|---|
| LLC | 最も一般的。株主2〜50名、外国人100%所有可能 | UAE国内市場での営業活動 |
| 支店 | 日本本社の延長。独立した法人格なし | 既存顧客へのサポート拠点 |
| 駐在員事務所 | 営業活動不可。市場調査・連絡拠点のみ | 進出前の市場調査・情報収集 |
③ 設立エリアの選択
UAEには大きく分けて3種類の設立エリアがあります。40以上のフリーゾーンが存在し、それぞれ特色が異なります。
④ 100%外国人所有の活用
2021年の商業会社法(Federal Decree-Law No. 32/2021)の施行により、外国人による企業の100%所有が大幅に拡大されました。現在、1,000を超える事業活動でLocal Service Agent(LSA)なしでの完全所有が認められています。
一部の戦略的セクター(石油・ガス、公益事業、通信など)では引き続き現地パートナーの参画が求められます。自社の事業活動がネガティブリスト(制限対象)に含まれないか、事前確認が不可欠です。
⑤ ビジネスライセンスの種類
| ライセンス種類 | 対象活動 | 具体例 |
|---|---|---|
| 商業ライセンス | 物品の売買・流通 | 一般貿易、小売、輸出入 |
| 専門ライセンス | 専門サービスの提供 | コンサルティング、IT、法務、会計 |
| 産業ライセンス | 製造・加工活動 | 食品製造、建築資材、化学品 |
| 観光ライセンス | 観光・ホスピタリティ | 旅行会社、ホテル、ツアーオペレーター |
| 農業ライセンス | 農業・畜産活動 | 農場運営、養殖、農業技術 |
| 手工業ライセンス | 手工芸・職人業 | 家具製作、工芸品、修理業 |
⑥ ビザと滞在許可
UAE法人の設立により、従業員や投資家に対する居住ビザのスポンサーが可能になります。2026年現在、主なビザカテゴリーは以下のとおりです。
| ビザ種類 | 要件 | 有効期間 |
|---|---|---|
| 投資家ビザ | 資本金AED 75万以上 | 2年間 |
| ゴールデンビザ | 不動産AED 200万以上(2026年:住宅ローン物件も可) | 10年間 |
| グリーンビザ | 投資額AED 50万以上、またはフリーランサー | 5年間 |
| 従業員ビザ | 雇用契約書、健康保険加入 | 2〜3年間 |
2026年より、エミレーツID(身分証明書)の発行に健康保険への加入が必須条件となりました。ビザ処理の前に適切な健康保険プランを手配する必要があります。
さらに2026年には、AI専門家、ヘルスケア、サステナビリティ、eスポーツなどの分野で新たなビザカテゴリーが導入されており、専門人材の誘致が加速しています。
⑦ 法人銀行口座の開設
会社設立後、法人銀行口座の開設はビジネス運営に不可欠です。2026年はKYC(顧客確認)手続きが一段と強化されており、開設には通常7〜15営業日かかります。
- 1ビジネスライセンスの原本
- 2定款(Memorandum of Association)
- 3株主・取締役のパスポートコピーとエミレーツID
- 4UBO(実質的支配者)登録証明書
- 5TRN(Tax Registration Number)証明書
- 6事業計画書と予想取引量の説明
- 7株主の銀行リファレンスレター
銀行によって審査基準が異なるため、複数行に同時申請することも実務上有効な手段です。事業計画書と予想取引量の説明資料を事前に準備しておきましょう。
会社設立の手続きフロー
UAEでの会社設立は、以下の4つのステップで進みます。全体のスケジュールは1〜3週間が目安です。
設立コスト(2026年版)
UAE会社設立にかかるコストは、設立エリアと会社形態によって大きく異なります。以下は2026年現在の目安です。
(約73万〜160万円)
ライセンス、初期承認、定款公証などを含む
(約12万〜20万円)
健康診断、エミレーツID、健康保険を含む
主要フリーゾーン別コスト
| フリーゾーン | 年間パッケージ費用 | 特徴 |
|---|---|---|
| SHAMS(シャルジャ) | AED 5,750〜 | 最安価。フリーランサー・小規模向け |
| IFZA(ドバイ) | AED 11,500〜 | コスパ良好。幅広い業種に対応 |
| DMCC(ドバイ) | AED 20,000〜 | 世界最大級。コモディティ・貿易 |
| JAFZA(ドバイ) | AED 47,800〜 | 物流・製造に最適。港湾直結 |
フリーゾーンの安価なパッケージは魅力的ですが、UAE国内市場での直接営業に制限がある場合があります。目先のコストだけでなく、事業拡大後のランニングコストや取引制限も含めたトータルコストで判断することが重要です。
【2026年最新】重要な制度変更
2025年後半〜2026年にかけて、UAEのビジネス環境に影響する重要な制度変更が相次いでいます。日系企業が特に押さえるべきポイントを整理しました。
- 1ゴールデンビザ:住宅ローン物件でも取得可能に — 2026年2月20日より、AED200万以上の不動産保有者はローン残債の有無にかかわらずゴールデンビザの申請が可能に。従来の「50%以上現金支払い」要件が撤廃されました。
- 2DED → DETへの名称変更と統合 — ドバイ経済開発局が「ドバイ経済観光省(DET)」に名称変更・統合。デジタル化が進み、2025年に60,000以上の新規ライセンスを発行しています。
- 3新AML法の施行(Federal Decree-Law No. 10/2025) — マネーロンダリング防止に関する新法が施行。違反した場合の罰金はAED 500万〜1億に引き上げられています。
- 4UBO(実質的支配者)登録義務の強化 — 株式25%以上を保有する株主の情報を、会社設立後15日以内に管轄当局へ登録する義務。違反時はAED5万〜100万の罰金。
- 5健康保険がエミレーツID発行に必須化 — 2026年より、エミレーツIDの発行・更新に有効な健康保険への加入が前提条件に。ビザ処理のスケジュールに影響します。
- 6新ビザカテゴリーの導入 — AI専門家、ヘルスケア、サステナビリティ、eスポーツなど、成長分野の専門人材向けビザカテゴリーが新設されました。
- 7法人税登録義務 — 全UAE法人はライセンス発行後3ヶ月以内にFTAへ法人税登録を完了する必要があります。TRNは銀行口座開設にも必須です。
UBO登録(15日以内)と法人税登録(3ヶ月以内)は期限厳守が必要です。設立手続きと並行して早期に対応を開始してください。
日系企業が陥りやすい5つの落とし穴
200社以上のUAE進出を支援してきた経験から、日系企業が特に注意すべきポイントをまとめました。
- 1「とりあえずフリーゾーン」で設立してしまう — コストの安さだけでフリーゾーンを選んだ結果、UAE国内の顧客と直接取引できず、ビジネスチャンスを逃すケースが後を絶ちません。2021年の法改正でメインランドでも100%外国人所有が可能になった今、事業戦略に基づいたエリア選択が不可欠です。
- 2UBO登録やAMLコンプライアンスを後回しにする — 「設立後に対応すれば良い」と考えた結果、罰金や銀行口座の凍結リスクに直面する企業が増えています。UBO登録は15日以内、法人税登録は3ヶ月以内です。
- 3銀行口座開設を甘く見る — KYC強化により、特に「事業内容が不明確」「日本からのリモート運営」のケースは審査が厳しくなる傾向があります。事業計画書、取引先情報、予想取引量の説明資料を事前に準備しておきましょう。
- 4ビザ・健康保険の新要件を見落とす — 2026年の健康保険必須化を知らず、ビザ処理が大幅に遅延するケースが発生しています。投資家ビザとゴールデンビザの要件の違い(AED75万 vs AED200万)も要確認です。
- 5日本の感覚でスケジュールを組む — UAEでは政府機関の手続きがイード、ラマダン明け等の祝日に大幅に遅延します。金曜・土曜が週末であるため、日本側との稼働日のズレにも注意が必要です。
余裕を持ったスケジュール設計と、現地の商慣行に精通したパートナーの活用が、これらの落とし穴を回避する最も効果的な方法です。
よくある質問
UAE会社設立は、メインランドかフリーゾーンかの選択から始まり、アクティビティ定義、会社形態、ビザ戦略、銀行口座開設まで多くの検討事項があります。2026年はゴールデンビザ要件緩和や新AML法施行など重要な制度変更が相次いでおり、最新情報にもとづいた戦略設計が不可欠です。Biz Easy は200社以上の中東進出支援実績をもとに、戦略立案から設立完了・運営開始まで一貫してサポートします。
