CASE STUDY | Biz Easy Strategy & Research
公開情報の壁を越え、「勝てる場所」を見極める ― エキスパート一次調査による中東・アフリカ進出支援
PILLAR Seal Solutions Middle East FZCO 様 導入事例(アルジェリア市場調査)
Biz Easy Strategy & Research Division 提供サービス「エキスパート一次調査」- 業種
- 産業機器メーカー(メカニカルシール)
- 対象国
- アルジェリア
- 実施サービス
- エキスパート一次調査
- 調査期間
- 約6〜8週間
PILLAR Seal Solutions Middle East FZCOは、大阪府に本社を置く東証プライム市場上場企業「株式会社PILLAR」(旧 日本ピラー工業株式会社、1924年創業)のUAE現地法人である。メカニカルシール、グランドパッキン、ガスケットをはじめとする流体制御用シール製品の総合メーカーとして、石油精製・石油化学、船舶、半導体、医療、食品など幅広い産業分野に製品を供給している。2015年にドバイ空港フリーゾーン(DAFZA)に設立され、中東・アフリカ・中央アジア地域における製品供給と技術サービスを担う拠点として機能している。
PILLAR Seal Solutions Middle East FZCO様は、アルジェリア市場におけるアフターサービス事業の強化を検討するにあたり、公開情報だけでは把握できない現地の競争環境・顧客の意思決定構造を明らかにする必要に迫られていた。Biz Easyは、現地・グローバルのエキスパートへの一次インタビューを通じて、この「情報の壁」を越える調査を実施。結果として、大規模投資に踏み切る前に、段階的に検証しながら進めるべき方向性を、具体的な根拠とともに示すことができた。
3分でわかる本事例の要点
- デスクリサーチでは埋まらない前提を、一次調査で確認 ― 現地の意思決定構造、競合の実務上の強み・弱み、参入障壁の実態は公開情報には現れない
- 単一の証言に依存しない検証設計 ― 買い手・競合・第三者など、利害の異なる複数の立場からエキスパートを選定し、証言を横断照合
- 「いきなり大型投資」を避け、段階的な意思決定を後押し ― 需要を実証しながら投資規模を引き上げる、リスクを抑えた事業拡張のロードマップを提示
01課題 ― 公開情報だけでは、投資判断ができなかった
PILLAR様は、既に現地に拠点を持ち、自社製品も設備やプロジェクトに組み込まれる形で現地に採用され、着実に実績を重ねていた。一方で、自社として現地のサービス体制をどこまで築くべきかという投資判断の段階で、大きな壁に直面していた。現地の主要プレイヤーがどのような体制で事業を運営しているか、顧客側の調達・意思決定の実態はどうなっているか、そして自社がどこに参入余地を見出せるのか ― これらは、公開情報や統計だけでは到底把握できない領域だった。
中東・アフリカ市場に共通する構造的な課題として、統計インフラの未整備、非上場・同族企業中心の産業構造、価格や取引条件の非開示慣行、規制の条文と運用実態の乖離などが挙げられる。これらは調査手法の巧拙の問題ではなく、市場の情報構造そのものに起因するものであり、「公開情報で描けるのは前提の輪郭まで」というのがBiz Easyの基本認識である。
02アプローチ ― 単一証言に依存しない、一次調査の設計
Biz Easyは、公開情報およびクライアント保有情報の整理から未充足論点を特定したうえで、買い手側(調達・現場保全)・競合側・第三者(業界サプライヤー等)という利害の異なる立場からエキスパートを選定し、横断的に証言を照合する調査設計を採用した。特定の1名の見解に依拠せず、複数の証言が一致する部分と、見解が分かれる部分を明確に切り分けることで、情報の確度を担保している。
誰に聞いたか
買い手・競合・第三者を横断
- 買い手側(調達・現場保全)/競合側/第三者(業界サプライヤー等)を意図的に組み合わせ
- 現地の実務担当者からグローバルの業界関係者まで、幅広く選定
何を確認したか
公開情報で埋まらない実務論点
- 意思決定の所在と、内製・外注の線引き(どこが外部に委託されるか)
- 調達・入札の実務、支払・回収の慣行、競合のサービス体制と手薄な領域
検証結果と確度
どこまで言えるか
- 論点ごとに検証結果と情報源を対応づけて提示
- 確度を段階評価し、見解が分かれた論点は両論併記
※守秘のため、競合名・具体的な数値などクライアント固有の情報は伏せ、調査の設計と確認論点のみを示しています。
03得られた示唆 ― 「どこで勝てるか」が具体的に見えた
一次調査を通じて、PILLAR様は、既存の主要プレイヤーが強固な地位を築いている領域と、現地対応が手薄で新規参入者にも開かれている領域とを、明確に切り分けて把握できるようになった。特に、現地での即応対応力や特定の技術領域における競合の手薄さは、公開情報だけでは決して見えてこなかった発見であり、PILLAR様自身の強み(品質評価の高さ、過去の納入実績)と組み合わせることで、「どこにリソースを集中させるべきか」という優先順位が明確になった。
また、現地の商習慣・調達実務・支払サイクルといった、実務運用に直結する情報も、複数のエキスパートの証言を横断的に照合することで、精度高く整理された。これにより、制度上は可能でも実務上は機能しない、あるいはその逆といった、デスクリサーチだけでは見抜けない乖離を事前に把握することができた。
04成果 ― 大型投資の前に、リスクを抑えた事業拡張のロードマップを構築
調査の結果、PILLAR様に対しては、いきなり大規模な先行投資に踏み切るのではなく、需要を検証しながら段階的に投資規模を引き上げていく事業拡張モデルを提言した。固定費の小さい初期フェーズから着手し、実績を積みながら次のフェーズへの投資判断を行うことで、需要が想定を下回った場合の下振れリスクを抑えつつ、機会を取りに行く設計である。
本調査を起点に、PILLAR様は、まず固定費を抑えた形で現地の需要を検証し、その実績に応じて追加投資の規模を判断する、段階的な事業拡張の方針の検討を進めている。本調査は、PILLAR様が自社の立ち位置と進むべき道筋を見定めるうえでの羅針盤となり、現地での次の一歩を力強く後押しした。
05お客様の声
「アルジェリアは石油・ガス市場における当社最大の実績国であり、再投資を見据えた新中期計画における最重点国です。アフリカ市場特有の、見えにくい市場・競争環境の中、限られたリソースと時間軸のもとで、経験豊富な貴社スタッフに支援を仰ぐ決断をしました。
本社部門を交えて何度もミーティングを重ね、当社の考え方をご理解いただいたうえで、私たちの立ち位置と進むべき道筋を、説得力を持って示していただきました。
私たちの製品とサービスが同国へのさらなる社会貢献を目指すなか、お陰様でその一歩を、足並みを揃えて踏み出そうとしています。」
― PILLAR Seal Solutions Middle East FZCO 畑中様(Managing Director)
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Biz Easyのエキスパート一次調査は、公開情報では把握できない現地の実態を、標準6〜8週間で経営判断に使える形に整理します。市場参入の初期検討から、具体的な投資判断まで、貴社の検討フェーズに応じて柔軟にご支援します。
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